ファゴット

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ファゴット
別称:バスーン、バッソン(フランス式のもの)
各言語での名称
bassoon
Fagott
basson
fagotto
巴松管, 低音管
ファゴット
分類
音域
実音記譜
ファゴットの音域
関連楽器
演奏者
関連項目

ファゴット: fagotto)は、木管楽器の一つで、オーボエと同様に上下に組み合わされた2枚のリードによって音を出すダブルリード式である(複簧管楽器)。低音部を担当する。英語に従い、バスーン、またはバズーンともいう。実音で記譜される。


目次

構造

通常、楽器本体は次の4つの部分から成る。

  • ベルジョイント
  • テナージョイント
  • ロングジョイント
  • ダブルジョイント

(「5ピースモデル」(別名 ジェントルマンシステム)という、コンパクトに収納できるモデルもある。吹奏感にも若干の違いがあるとされる。)

その他、ボーカル、ハンドレストなどの要素で構成され、吹奏時には これらを組み立てて使う(ハンドレストが金属製で、本体と一体型になっているものもある)。完成後の高さは135cm前後となる(実際は長い管を二つ折りにした構造の楽器の為、総延長は約260cmにもなる)。

ベルジョイントの先端部は、大きく分けて「ジャーマンベル」と「フレンチベル」という2種類のベル形状が存在し、外見上の特徴となっている。尚、Infobox 楽器テンプレートにて使用したファゴット画像のベル形状は「フレンチベル」である。

音域

Bassoon-technical-bflatoctaves.ogg
ファイル:Bassoon-technical-bflatoctaves.ogg
変ロのオクターブ移動

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音域は中央ハの2オクターブ下ののすぐ下の変ロから3オクターブ強から4オクターブ弱に及ぶ。特に最高音域はリードを噛むなどの多少特殊な奏法が要求される。

マーラーなどの楽曲に於いて、最低音の半音下のイ音が要求される事があり、対処として1オクターブ上のイ音を演奏する他に、延長管をベルに取り付けて音域を下に広げる事もある。また、イ音が演奏できる長いベルジョイントと交換できるものもある。

近代に入り奏法や運指、リードや楽器自体の発展により演奏可能な音域が高音に広がっており、それに伴い楽曲内でもその音域を活用する動きが見られる。

多少鼻の詰まったような「ポー」という音がするのが特徴であり、長い音程間での跳躍する動きや、おどけたような表現を得意としている。また、ダブルリード楽器の一般的特徴に漏れず、高音域になるにつれて音が小さくなり、逆に低音域では音が大きくなる傾向を持つ。

特徴

演奏時の様子

両手の指ですべての音孔を押さえるために、管を折り曲げてある。その様が薪の束(fagotto)のようであるところからイタリア語ではファゴットと名付けられた。音孔を押さえるための工夫はそれだけでなく、音孔部の管壁を厚くして、孔を斜めに開け、指が届きやすいようになっている。現在の楽器では、キー装置が発達したため、伝統的な音色を失わない程度に合理的な位置に穴を開け、キー装置をもって指の届かない孔の開閉を行っている。しかしそのためキーの数がかなり多くなり、奏者は大変な苦労をせざるを得なくなっている。

演奏時にはストラップを用い、楽器を斜めに構えて吹く。

ストラップは肩から掛けるもの、首から掛けるもの、襷状のもの、尻で敷いて楽器の底部に引っ掛けるもの(シートストラップ)などがある。

種類

現在多く用いられているのはドイツ式の楽器であるが、フランス式の楽器もあり、フレンチ・バッソンまたはバッソンと呼ぶ。機構が単純であるため、音程が取りにくいなどの難点もあるが、音色がホルンに近く表現がより豊かであるとされる。ただ、単にキーシステムの違いというよりも奏法における違いが甚だしく、プロの奏者にとっても、実際上は全く別個の楽器と意識されているようである。なお、バッソンは音量があまり大きくないことから、ベルリオーズのように1パートに2本重ねて4管として使われることが多い。時折フランス系の作曲家のオーケストラ曲の編成で、ファゴット/バッソンのみ本数が多いことがあるのはそのためであるといわれる。

直接の先祖は「ドゥルツィアン」または「カータル」とされる。


さらに1オクターブ低い音を出す楽器にコントラファゴット(ダブルバスーン)がある。また、ファゴットの完全4度、5度、1オクターブ上の音を出すファゴッティーノ(別名 クイントファゴット または テナルーン)がある。

前者は大規模な管弦楽編成において普通に使用されるが、後者は大きな手とある程度の身長が必要であるファゴットを小さな子供が練習出来るようにするというのが主な目的であるため編成に現れることは基本的には無い。

呼称

ドイツ式のものとフランス式のものがあり、一般的にはドイツ式のものが普及、通用されており日本国内ではドイツ式の楽器をドイツ語の呼称に従い「ファゴット」、または英語の呼称の「バスーン(バズーン)」と呼び、フランス式のものをフランス語の呼称に従い「バッソン」と呼ぶ事が多い。 しかし、両者の違いはオーボエに於けるオーボエとウィンナー・オーボエの差のようなものであり、あくまでもフランス語において日本語で言う「ファゴット」は「ドイツ式バッソン」であり、ドイツ語において日本語で言う「バッソン」は「フランス式ファゴット」であるため、両者の呼称による区別はあくまでも日本語内での事であると考えた方がよい。

位置付け

オーケストラにあっては欠かさず用いられる楽器である。日本国内に於いては、吹奏楽においても、大半の楽曲で編成に組み入れられるが同音域のテナーサックスユーフォニアムに比べ非常に音量が小さく、楽器自体が比較的高価で、バスクラリネットバリトンサックスのように類似楽器がない為に指導できる者が少ないこともあってか、中学校や高校では比較的規模の大きい部活ですら楽器を所有していないこともある (尚、(金管バンドとしての)ブラスバンドにおいては用いられない)。 また、その特徴的な独特の音色から、CM・映画・テレビドラマ・アニメ歌謡曲などのBGM・伴奏として用いられることが多々ある。

主なファゴットメーカー

  • ライツィンガー(ドイツ)
  • アマティ (チェコ)
  • アドラー (ドイツ)
  • ソノーラ (ドイツ) - アドラー社と合併
  • シュライバー (ドイツ)
  • ピュヒナー (ドイツ)
  • フォックス (アメリカ)
  • ヘッケル (ドイツ)
  • モースマン (ドイツ)
  • モーレンハウエル (ドイツ)
  • ヤマハ (日本)
  • ヴァルター (ドイツ)
  • ヴォルフ (ドイツ)
  • メーニッヒ (ドイツ)
  • 中野産業 (日本) - 「ドッペルロア」「タケダバスーン」の名で展開。元東京フィルハーモニー交響楽団Fg.奏者・竹田雄彦が始めたファゴットメーカー。

著名なファゴット奏者

五十音順に記載。クラシック音楽の演奏家一覧#ファゴット(バスーン)奏者も参照。

  • 岡崎耕治
  • 小山清
  • カール・オットー・ハルトマン
  • 霧生吉秀
  • 小山昭雄
  • クラウス・トゥーネマン
  • ジョージ・サカキニ
  • ダク・イェンセン
  • 中川良平
  • ミラン・トゥルコヴィッチ
  • 山畑馨
  • 境野達男
  • 津田雄三
  • 越康寿
  • 水間博明
  • 長哲也
  • 小山莉絵

ファゴットのために書かれた作品

協奏曲についてはファゴット協奏曲を参照。

ファゴットの印象的な作品

呼称に関する諸注意

イタリア語では「ファゴット」であるが、英語圏では「バスーン(Bassoon)」と呼ばなくてはならない。英語圏で「ファゴット」と言ってしまうと、同性愛者への侮蔑的呼称「オカマ」を意味する「faggot」と捉えられかねないので、充分に注意する必要がある。


関連項目



[ ファゴット ]の改訂履歴 出典: 『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/09/17 15:31)

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